2013-03-25 こんな話をかいた 短い話 失恋をしても、お茶は飲む。手にしたドーナツをまじまじと見て、パクリと食べた。ふと思う。ドーナツの穴はどこにいったのか?……虚空……失くした恋のモニュメントはそこかしこに満ち溢れ、ぼくの胸でもぽっかりと口を開けているのだ。あーあ。なんだか痛い。 彼女は風。好む相手に気ままに吹きつける。おかげでコイン一個ぶんほど、男は禿げた。春の風さながらに彼女は去り、コイン禿が思い出になった。時がたち、ツルツルになった頭を男はなでた。ときどき、