猛烈な勢いでメモ ダッシュ

短い話とか 俳句とか

4月1日の午後に思いついた話

主人公は、とある人間嫌いの小説家。屋敷では猫を飼っている。たまに編集者が訪れ、原稿の話しをするが。天気の話しだけで帰る、ってことが続いている。
ある日。編集者が小説家を尋ねるとお茶のついでに、一冊の本を見せられる。自費出版されたものらしく、装丁も凝っている。奥付はない。……これは?……と尋ねると、彼女の思い出を綴ったものだ、と小説家はこたえる。
読むと愛らしい純愛小説のようにも読めるが、なにか変。活字は大きめで、行間も広い。最後のページで、これは飼い猫の話を書いたものだってことが分かる。……面白いですね……と編集者はお愛想を言う。
ありがとう、ところで装丁も良いだろう……と小説家。……革ですね……うん、彼女ものだ…… って、やりとりがあって。編集者は、ちょっとだけゾッとする。
そこでニャーって鳴き声が聞こえ、猫が部屋に入ってくる。小説家は壁の暦に目配せする。見ると、4月1日。(おしまい)