猛烈な勢いでメモ ダッシュ

短い話とか 俳句とか

こんな話かいた

 
月夜の海岸で、人魚と出会った。口をパクパクさせて困ったように笑う。素敵な人魚だった。ぼくは話した。伝わらなくても話したい事は尽きなかった。真剣な眼差し。人魚はぼくの手をとると海中へと誘った。人魚は言った。「さあ私の番ね」海中の人魚はめっちゃ饒舌で、ぶくぶくぶく。
 
個性的な鼻の魔女。魔女は森に現れ理由もなく動物の頭を叩いた。コツン。叩かれた動物は気分が悪い。でも魔女はすぐに消えるし何より怖い。魔法の杖を鼠が盗みだし、小熊が放り投げ、魔女の頭をコツン。稲妻。落雷。魔女は改心した。なお魔女の個性的な鼻はそのままだった。
 
ボートから花火を見た。ドンという音が天上を叩き、いきなり湖面は花火に染った。パッと輝く彼女の横顔。ぼくはといえば漕ぐ手を止めないで。エクノモス岬海戦のことを考えていた。
 
発達した積乱雲は動かず、その下に激しい雨を降らせていた。大雨と快晴の境目でぼくは天上の城を見上げ、水着に着替えた。
 
島の恋人達はハグすると、よく相手の背中を叩く。パタパタと。この身振りは「あなたは私の天使だよ」ってことを示してる。「ここに翼は生えてない?遠くに行かないでね。私の一番大切なひと」みたいな感じ。子供を抱き上げて、パタパタするっていうのも、よく見かける光景である。
 
牢獄船に収監された男。30年の航海だった。ラッパに起こされ点呼。通路は右を歩き、船底で深海の魚を捌いた。ラッパで就寝。週に一度は広大な甲板に出て体操か読書。30年が過ぎて、男は賑やかな港町に降りた。立っていられなかった。なぜ人々は右側を歩かないのか。