「だれに頼まれた訳でもないのに」
「だれに頼まれた訳でもないのに」このフレーズがぼくは好きだ。たまに使う。どこかで読んだものに違いないのだが、どうも思い出せない。「吾輩は猫である」の一節だったような気もする。
まだ名前のない猫が人間観察をしてて、忙しい忙しいっていう人を不審に思う。そんなに忙しいのなら休めばいいではないか。……( だれに頼まれた訳でもないのに)…… 自分で忙しくしておいて、不平を述べるなどは、焼けた鉄瓶を手にして熱い熱いと言っているようなものである。それで我輩を見ては、猫は気楽でいいな、とは余計な御世話だ。
そんな話だった気がするが。探したけど問題の「だれに頼まれた訳でもないのに」は見つからなかった。ともあれ「だれに頼まれた訳でもないのに」というフレーズが意味するところは、「だれに頼まれた訳でもない」事柄で苦悩の表情を浮かべるのは理屈に合わないであろう、ってことだった気がする。苦悩の表情が似合うのは、誰かに頼まれた人だけだ。みたいな?
テンテンは南極探検にも似ている
たまに点描というものに挑戦することがある。グラデーション的な表現ができたら、いいなあ、と思って。でも、すぐに飽きてしまう。テンテンを打つ作業は孤独だ。あれこれ考えだし、はやく結果を見たくなる。そうすると、ひとつのひとつのテンテンも雑になり。離れて見たときに……これは酷い……ということが一目になってしまう。
ともあれ、10分。よく頑張ったおれ。リラックスしよう。おいしい水。
点描のつづき。
ボサノバの曲を聞きながら。また10分がんばる。テンテンして、目を離し。さて、どんな塩梅だろうって見る。……ああ、ダメだな……ってまたすぐに分かる。がっくり。
なんで他人は点描できるのだろう。もう性格なんじゃないかな。人はふたつの組に分かれる。点描できる人と、出来ない人である。
そんなこと言うなよ、おれ。……なんか悲しくなってくるじゃねぇか……って思う。 たぶん、もっと練習すべきなんだろうけれど。途中で引き返す勇気が必要とされるときもあるだろう。
だって、いつかは休まなきゃだし。……休憩も必要だな……と席を立ち。そのまま百年もペンをとらない、っていうのも、ままあることであるだからだ。
そうすると。重いペンを持ち上げるために……またリハビリから……ということになるのだ。