2011-01-01から1年間の記事一覧
黒服の小さな老婆秋日傘 日暮れどき壁にかかった夏帽子 耳鳴りと混じって五月蝿い蝉の声 洗濯機目を回してるぬいぐるみ(くま) 午後の5時まだ日は長しと秋の蝉 西の空UFO雲と秋の蝉 ベランダで水を飲んだよ秋暑し ベランダに二百十日の風が吹く 台所嵐が過…
太った人と、やせた人、どっちが浮かびそうだろう、とふと思った。 ヒモとかつけると、風船みたいな人の方が浮きやそうだ。 でも座禅とかしたら、修行僧みたいな人が浮くんじゃね?
執筆につまったクマは麦わら帽子をとると散歩に出かけた。ふと入道雲を見上げ「空には何も書かれてはいない」と呟いた。ただ何となく。するとパチリと写真をとられた。何だろう?と思いつつ部屋に帰りPCを見ると「空には何も書かれてはいない」が今日のベス…
ホラーとか、スプッラターとか、苦手なのだった。だって暑いから。……恐怖映画を見るなら、毛布は必需品でしょう?特別に怖いシーンがきたら毛布をかぶり、小さな穴から見るようにする。毛布はあらゆる恐怖をはねのけるシールドだ、といまだにぼくは思ってる…
8月。夜の道を走っていたら、助手席の彼女がこう言ったのだ。「寒い」と。僕は仕方なく冷房をとめ、ほんのちょっとだけ窓を開けたのだけれど。すぐに暖房を入れて、と彼女は怒るのだった。車を止めて、ぎゅっとすべきだろうか?…って考えたけど。汗だくで僕…
おっぱいの日。巨大なおっぱいが、宇宙から落下してきた。「巨大おっぱいの下敷きになり人類は滅亡するのか?」「こんな終末はいやだー」という人もいた。「いや、これでいい、疲れたよ、パトラッシュ」「っていうか、サイズでいうと……」という人もいた。 今…
冷蔵庫から、雪だるまを取り出した。冬につくって保存していたものだった。ベランダの手すりに置いて、写真をパチリ。どうですか?これが夏です。真夏の日差しを浴びて、雪だるまはすぐに溶け出した。聞こえるのは、夏を賛美するオペラ。 「大声は嫌いだ!」…
「行きたいときに行くわ」と子猫は言った。「どうぞ、ご勝手に」と僕は答えた。ふん、とすまして歩き出す子猫。遠ざかり見えなくなる、その後ろ姿を、そっと追いかけた。帰り道を見失い泣き出さないか、心配だったから。だが子猫は存外に平気。ひとりを楽し…
ひと切れを選び手にとる西瓜かな
外人墓地の木陰で幽霊と出会った。外人だ。目があって冷や汗。案の定、なにやら外国語でまくしたててきた。アーッと叫び出したくなるのをこらえ、語学の得意な友人に電話して聞いてみた。「彼はなんて言っているの?」……「貴方は神を信じますか? だってさ」…
夏帽子あごひもつけて高い空
大人しい猫だった。尻尾を持ち上げても、気にしない。匂いをくんくんと嗅いでも知らん顔。洗ってあげる事にした。桶にはった水でジャブジャブ。猫はなおも、よきにはからえ、て顔してた。そんな猫が10匹もいたので全部、洗って干してやった。梅の木に鈴な…
蝉屋敷と呼ばれる家があった。そのあたりの林だけ、蝉の声が凄いのだ。でも。探せど蝉の姿はあまりみかけなかった。ぼくらは蝉の亡霊だよ、って噂した。なんの因果かは知らない。 友人はひたすらに自画像を描いていた。モデルを雇う金もなけば、友達も少なか…
森の公園に行ったら、滑り台の所にクマが寝ていたので言ってやった。「おい、クマ、邪魔だよ」クマは返事をしなかった。美しいまでのスルーぶりだった。家に帰って猟銃をとってこようと思ったほどだが。クマはゆっくりと空を見上げ、こう言うのだった。 「ク…
「紅梅に干しておくなり洗ひ猫」について。パッと読んだ感じ、シュールだな、とぼくは思ったのだった。でも先日、公園を歩いていたら木の上で寝ている猫を3匹くらい見た。鈴なりの猫たち。考えてみれば猫が木の上で寝ることになんの不思議もない気もしてき…
裏窓を開くと墓地で、その向こうに見える高い煙突は火葬場だった。私は気にしないが。烏がうるさいのだけは、我慢がならなかった。目を覚まして静か。窓の外にはマンションが立っていて。そうだ。墓地も火葬場もとうの昔に移転したのだ……と思い出した。幽霊…
お香を頂いた。青いのと赤いの。青いお香をお香を焚くと気持ちが静まり、赤いのを焚くと元気になれるらしい。ふたつ同時に焚くとどうなるのだろう、と思いやってみた。別になんともない。ネット続けた。……翌日、ログを読み返すと陽気だったり深刻ぶったり、…
向日葵や少し違うよ顔の向き ……向日葵の苗をみっつ買ってきて植えた。小さい品種のものですぐに大きくなって咲いたのだが、開花の時期がずれて?花の向きは、それぞれ微妙に違ってました……という句である。
古い手帳を整理していたら、こんなものが出てきた。……「愛のクーポン」……カードにはそう書かれていた。使用法は裏側に書いてある。……「このクーポンを渡したら、無条件に怒るのやめる。抱っこ。一回限り」……彼女から貰ったものだ。ついに使わぬまま、別れた…
芽かきして青い匂いのトマトかな ……炎天下。大きくなったトマトの脇芽欠きをしたら、青い匂いがした、という句である。そのまんまだな。><
(1)パンダ・ろくろっくび (2)うさぎ・ろくろっくび (3)ペンギン・ろくろっくび (4)きりん