猛烈な勢いでメモ ダッシュ

推敲してます。漫画とか。俳句とか。

こんな話を思いついた、書き直し、「おはよう」

おはよう
 
台風一過の朝。おはよう、という言葉に目覚めた。去年、祖父が死んで以来、私はひとり暮らし。声の主はこの家につく小人さんのものだった。おはよう、と私もこたえたが小人さんは執拗に、おはよう、をくり返した。顔を洗っている間も、おはよう。ぼんやり歯を磨きながらテレビを見ている間も、おはよう。のんびりコーヒーをいれている間も、おはよう。こんなことは初めてだ。いい加減、うるさくなって外出することにした。服を着替えている間も、おはよう、は続き、私は、ハイ、ハイ、とこたえた。玄関を出て10メートルほど歩いたところで、裏の崖が倒壊した。凄まじい轟音とともに、我が家はペシャンコになった。あとには蝉の声。
おはよう、って、お早く、の意味だったんだなと気づいたのは、しばらくたってからだ。