ネタ探しという名の旅立ち(1) バナナは物思いに耽っていた。庭では破れ芭蕉が風に吹かれ、空にはポッカリと月が浮かんでいた。十五夜の夜だった。バナナは詩情に誘われていた。けれど言葉にできない何かは言葉にはされぬまま、すっとバナナの手を逃れた。…
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