猛烈な勢いでメモ ダッシュ

推敲してます。漫画とか。俳句とか。

こんな話をかいた

  • 男が神隠しにあった。桜の霊の仕業らしい。奥さんとしては男を救い出したい意向だ。乱暴だが桜を切れば男は現に目覚めるだろう。だが私は気が進まない。だって夢から醒めた男は、きっと桜の敵を恨むだろうから。第一、馬に蹴られて死にたくはない。それで奥さんに斧を手渡した。
  • 卵焼きを作ろうとしたらサラダオイルがきれており、オイルサーディンの油で代用したら、もくもく立ちが上がった煙がランドセルを背負った小学生に変化し、チャイムがなったのでドアを開けたら赤い自動車がきてて、また消防士さんに、ごめんなさいだった。
  • 操り人形が頬杖をついている。何事か考えているポーズ。人形は立ち上がり上の方を見上げ拳をつくる。何事か決心したポーズ。人形は腰の短剣をぬき運命の糸を断ち切ると、その場に崩れた。……おしまい?……と思っていると人形は自力で立ち上がりお辞儀をした。びっくりー。
  • 5代目は小柄なマントが好きな王さまだった。ともかく大きければ大きいほど良い。ああ巨大なマントが欲しい。世界を覆い尽くすような。マントこそは我が領土。マントの中では神とて殺す。それが王さまのポリシーだったが。マントマニアの王と呼ばれ、存外に堅実な治世だったらしい。
  • 作家は狂人をつくる。ベンチに座り、お喋りしただけで。その日、作家はインタビューに応えたのだった。名声に反し本が売れないから、出版社が相手を指名した。大学の先生だった。2人は噴水の前で会って話した。顔と顔を合わせ。独特な振動が起きた。先生が繊細すぎたのかもしれない。
  • 霧の街でドッペルさんを後ろから捕えた。ドッペルさんは不思議がっている。相手の弱点は知っているし主導権は握った、と思った。でもね、と彼。「後塵を拝すとも言うでしょう。影は影。影には影などさしませんよ」霧が晴れてお日様が顔を出すと、はたして私が地べたに張りついていた。